「うちの子には、わたしが亡くなった後もずっと幸せに暮らしてほしい」
そう願っている飼い主さんはとても多いと思います。
残念ながら、日本の法律ではペットは『家族』ではなく『モノ(動産)』として扱われるため、相続財産のひつとになります。
そのため、飼い主が亡くなったり、重い病気になった場合に
何も準備をしていなければ
●誰がペットを引き取るのか
●エサ代・医療費を誰が負担するのか
●親族がペットを望まず、最悪手放される
といった事態が起こる可能性があります。
仮に飼い主さんが亡くなった後に引き取り手がいないペットは行政が引き取って、最後は殺処分となります。
最新の環境省発表によると、2023年度(令和5年度)の犬猫の殺処分数は合計9,017頭で、犬2,118頭、猫6,899頭となり統計開始以来過去最少を更新しました
ペット相続について
よくいわれる『ペット相続』はペットに“財産を相続させる”ことではありません
誤解されがちですが、ペット自身が相続人になることはできません。
では『ペット相続』とは何か?
ペットを託す人と、その飼育費用・役割をセットで決めておく仕組み
のことを指します。
具体的には、
●誰にペットを託すのか
●どんな環境で育ててほしいのか
●医療費や生活費をどう確保するのか
こうしたことを、法的に整理しておく対策のことになります。
よく「うちは親族が引き取ってくれるから」と言う話を聞きますが、実際に親族が軽い気持ちで引き取った後に出てくる問題が
「こんなに医療費がかかるとおもってなかった」
という費用の問題です。
動物病院は人間と異なり、医療費は10割負担。全額実費になります。
ペット保険もありますが、それでも人間と同じで犬猫も老いていくので介護状態にもなります。
その際の費用のことまで『ペット相続』は考えるべきです。
ペット相続でよく使われる3つの方法
① 遺言書で引き取り先を指定する
遺言書の中で
「〇〇さんにペットを託す」と明記する方法です。
ただし、
●引き取る人の同意が必須
●飼育費用の管理があいまいになりやすい
という注意点があります。
② 負担付遺贈(ふたんつきいぞう)
財産を渡す代わりに、ペットの世話をしてもらう方法です。
例えば「〇〇に〇〇円を遺贈する。その条件として、ペット〇〇の終生飼養を行うこと」
という遺言書を作成します。
ただし比較的シンプルですが、実際にきちんと飼育されているかをチェックする仕組みがないと不安が残ります。
③ 生命保険信託を使う方法
最近注目されているのがこの方法です。
●飼育費用を目的別に管理
●ペットのためにしか使えないお金として確保
●万が一のときも資金が途切れにくい
『お金の管理』と『ペットの生活』を分けて考えられるため、
長生きするペットや医療費が心配な場合に向いています。
また生命保険の受取人を世話をしてくれる親族に指定しておくことで「これはペットの飼育日に使ってね」とメッセージ付きで渡すことも可能です。
ただし、生命保険信託はどの保険会社でも使えるものではないので専門家(ペット相続士)に相談しましょう。
おひとり様のペット相続
ひとり暮らしの方こそ、ペット相続は重要です。
●ひとり暮らし
●親族が遠方や高齢
●ペットが複数いる
こうした方は
「なんとかなる」では済まされない現実があります。
急に倒れて入院した場合、ペットは家に残されます。
お水は?エサは?
対策としてはエンディングノートを活用して万が一に備えましょう。
ペット相続は、
『縁起でもない話』ではなく、
今の幸せな生活を守るための準備です。
ペットの未来を決められるのは、今の飼い主だけ。
ペットは、自分で飼い主を選ぶことができません。
だからこそ、飼い主亡き後に
●誰に託すのか
●どんな暮らしをさせたいのか
●お金はどう確保するのか
これを決められるのは、飼い主である『今』だけです。
「まだ元気だから」ではなく、
「元気なうちに」考えることが、ペットへの最大の愛情かもしれません。



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